アフレ子ブログ

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【怪談】真夜中のナンパ in 東尋坊

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〜ドライブ〜

遠出をした帰り道、友人と真夜中の
海岸線を走っていた。

先程からトイレを探しているのに
店の明かりすらない。

そろそろヤバい… 限界ラバーズ

 友「この先に東尋坊あるからそこなら
   きっとトイレあるよ」

険しい岩壁が続く珍しい海食崖の
名所かつ天然記念物。

その昔、色々やらかして ここから
突き落とされた お坊さん の名前を
そのまま付けているとか。
ネーミングに 闇を感じる…

駐車場にトイレは見当たらず、
この先 展望広場にありますよの白看板。


〜展望広場〜

 

暗い…
街灯より月の明かりが勝っている。

広場の端に煌々とした明かりが
それは電話ボックス
なぜここに…
今ここでその答え合わせをしてはいけない。
暗黙のルールその①。

いよいよ猶予はない。
暗闇に浮かぶ「便所」の看板を目指す。
付けた電気も月明かりに負けている。
これは、参加型の演出なのかい?

ギリギリセーフ

ほっとして外へ出ると目も慣れ
広場の全景が見えてきた。
月明かりに照らされた足元その先には…

崖近っ すぐそこやん、危っぶな!!

尿意の焦りから自分の立ち位置を
把握していなかった。
もう車に戻ろう としたその時
いきなり男性に話しかけられた。
それも息のかかりそうな至近距離で。

 (うわっ!)

近くに温泉街がある。
酔った方々が肝試しに来ても不思議はないが
今は女2人きり。
こんな時間のこの状況、ナンパを断るにも
言葉を選ばねばならない。
ここはひとまず毅然とした態度で、

  ア「何ですか⁈」

振り向くと そこに人はいなかった。
辺りを探すと友人は既に駐車場へ続く
階段を上がっていた。

 ア「待って!今男の人いなかった?」
 友「誰もいないし、それよりアフレ子
   1人で何喋ってたの?ずっと話し声
   してたし見てて怖かったよ」

無論私は喋ってない。
振り向き様の一言のみ。

どんな会話が聞こえていたのか
今ここで確認しちゃいけない。
暗黙のルールその②

それにしても声が近かった。
一瞬で複数の男性だと認識したが
ボソボソ声で聞き取れず、音の響きは
お経に似ていた。

振り向いた瞬間、消えていたのだ。
つまり、顔を見てから 去ったのだ。

月明かり 照らしあなたの横顔を
 対より見れば 霊も逃げたり

そんなところか…

 去るならば 
  ちゃんと理由は言ってってよねー!